「肩のケガ」の話ですが、これはちょっと詳しく述べなければなりません。
というのも、肩には「腱板」といって、肩の関節の運動をつかさどったり、肩の関節をはずれないよう押しつけ固定する、腱の集まった特殊なカプセル構造があります。
特に青少年のスポーツでは、投球などの「使いすぎ障害」が多いのですが、この大切な腱板がやられることもあるので要注意です。
ピッチャーなどが急激な投球をしたとき痛めたり、転んで脱臼することなどもまれにありますが、主にスライディングやコンタクトプレーで肩を強く打って、「鎖骨骨折」や「肩鎖関節脱臼」になることが多いです。
これは脱臼と呼んでいますが、実際は鎖骨と肩胛骨を止めている靱帯が切れたり伸びたりするケガなのです。
肩先の鎖骨の外側が持ち上がり、痛くて腕が上がらなくなるので、すぐ分かると思いますが、程度によっていろいろ治療法が変わるので、肩を痛めたら、湿布などでいい加減に処置せず、一旦、接骨院・整骨院に相談してみるのが得策だと思います。
これはその鎖骨の外側が持ち上がったレントゲンです。
青い線の鎖骨の端は、本当はグリーンのラインあたりにあったのですが、 靱帯が切れこの部分まで跳ね上がってしまいました。
やったばかりでは痛くて、腕も上げられないため、肩が脱臼したと思い、我々の所に来る患者様が多いです。柔道、レスリング、ラグビーなどで、肩から落下した場合に痛めやすいけがです。
サッカーなどでも競り合って、肩から落ちて、痛めて来院されます。これも、軽傷なら固定安静で良いのですが、このレントゲンぐらいまで至るとスポーツ選手などでは、手術をした方が良いかもしれません。
これは鎖骨の骨折です。
鎖骨が折れるとすると、ほとんどこの場所です。
スポーツでは、上の鎖骨の脱臼と同じ様な場合で起きます。
骨折が起きたときは、やはり腕が上がらなく、さらには肩幅が狭くなったように見えます。
我々の所では、固定をきちんとしますので、痛みもあまりありません。
肩の脱臼ですが、よく現場でスポーツ指導者や先輩が、見よう見まねで力任せに腕を引っ張って、整復しようとしている光景に出くわしますが、これはいけません!
偶然、元に戻っても、無理に引っぱったり入れたりする時、大切な関節の縁を傷つけたり欠いたりして、後々やっかいなことになることもあります。
中には、脱臼に骨折が伴っていることもあるので、要注意です。
これが肩の脱臼です。
と言っても、普通の人が見てもわからないと思います。
緑の丸が関節窩と言って、腕の骨の受け皿で、ここを軸として腕が動いています。
これだけではよくわからないと思いますが、整復された、下のレントゲン写真を見ればわかると思います。
これが整復後のレントゲンです。これが正しい位置です。
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